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日中租税協定

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1983-09-06

所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税防止のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定(昭和五十九/六/九 条約第五号)

日本国政府及び中華人民共和国政府は、所得に対する租税に関し、二重課税を回避し及び脱税を防止するための協定を締結することを希望して、次のとおり協定した。

第一条

この協定は、一方または双方の締約国の居住者である者に適用する。

第二条

1 この協定が適用される租税は、次のものとする。

(a)中華人民共和国においては、

(ⅰ)個人所得税

(ⅱ)合弁企業所得税

(ⅲ)外国企業所得税

(ⅳ)地方所得税

(以下、「中国の租税」という。)

(b)日本国においては、

(ⅰ)所得税

(ⅱ)法人税

(ⅲ)住民税

(以下「日本国の租税」という。)

2 この協定は、1に掲げる租税に加えてまたはこれに代わってこの協定の署名の日の後

に課される租税であって1に掲げる租税と同一であるもの又は実質的に類似するものについても、適用する。両締約国の権限のある当局は、それぞれの国の税法について行われた実質的な改正を、その改正後の妥当な期間内に、相互に通知する。

第三条

1 この協定の適用上、文脈により別に解釈すべき場合を除くほか、

(a)「中華人民共和国」とは、地理的意味で用いる場合には、中国の租税に関する法令が施行されているすべての領域(領海を含む。)及びその領域の外側に位置する水域で中華人民居和国が国際法に基づき管轄権を有し中国の租税に関する法令が施工されているすべての水域(海底及びその下を含む。)をいう。

(b)「日本国」とは、地理的意味で用いる場合には、日本国の租税に関する法令が施行されているすべての領域(領海を含む。)及びその領域の外側に位置する水域で日本国が国際法に基づき管轄権を有し日本国の租税に関する法令が施行されているすべての水域(海底及びその下を含む。)をいう。

(c)「一方の締約国」及び「他方の締約国」とは、文脈により、日本国又は中華人民共和国をいう。

(d)「租税」とは、文脈により、日本国の租税又は中国の租税をいう。

(e)「者」には、個人、法人及び法人以外の団体を含む。

(f)「法人」とは、法人格を有する団体または租税に関し法人格を有する団体として取り扱われる団体をいう。

(g)「一方の締約国の企業」及び「他方の締約国の企業」とは、それぞれ一方の締約国の居住者が営む企業及び他方の締約国の居住者が営む企業をいう。

(h)「国民」とは、いずれか一方の締約国の国籍を有するすべての個人並びに当該一方の締約国の法令に基づいて設立され又は組織されたすべての法人及び法人格を有しないが当該一方の締約国の租税に関し当該一方の締約国の法令に基づいて設立され又は組織された法人として取り扱われるすべての団体をいう。

(i)[国際運輸]とは、一方の締約国の企業が運用する船舶又は航空機による運送(他方の締約国内の地点の間においてのみ運用される船舶又は航空機による運送を除く。)をいう。

(j)「権限のある当局」とは、日本国については、大蔵大臣又は権限を与えられたその代理者をいい、中華人民共和国については、財政部又は権限を与えられたその代理者をいう。

2 一方の締約国によるこの協定の適用上、この協定において定義されていない用語は、

文脈より別に解釈すべき場合を除くほか、この協定の適用を受ける租税に関する当該一方の締約国の法令における当該用語の意義を有するものとする

第四条

1 この協定の適用上、「一方の締約国の居住者」とは、当該一方の締約国の法令の下において、住所、居所、本店又は主たる事務所の所在地その他これらに類する基準により当該一方の締約国において課税を受けるべき者とされる者をいう。

2 1の規定により双方の締約国の居住者に該当する個人については、両締約国の権限のある当局は、合意により、この協定の適用上その個人が居住者であるとみなされる締約国を決定する。

3 1の規定により双方の締約国の居住者に該当するもので個人以外の者は、その者の本店又は主たる事務所が存在する締約国の居住者とみなす。

第五条

1 この協定の適用上、「恒久的施設」とは、事業を行う一定の場所であって企業がその事業の全部又は一部を行っている場所をいう。

2 「恒久的施設」には、特に、次のものを含む。

(a)事業の管理の場所

(b)支店

(d)事務所

(e)工場

(f)作業場

(g)鉱山、石油又は天然ガスの坑井、採石場その他天然資源を採取する場所

3 建築工事現場又は建設、組立工事若しくは据付工事若しくはこれらに関連する監督活動は、六箇月を超える期間存続する場合に限り、「恒久的施設」とする。

4 1から3までの規定にかかわらず、「恒久的施設」には、次のことは、含まれないものとする。

(a)企業に属する物品又は商品の保管、展示又は引渡しのためにのみ施設を使用するこ

と。

(b)企業に属する物品又は商品の在庫を保管、展示又は引渡しのためにのみ保有すること。

(c)企業に属する物品または商品の在庫を他の企業による加工のためにのみ保有すること。

(d)企業のために、物品若しくは商品を購入しまたは情報を収集することのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること。

(f)企業のために、その他の準備的または補助的な性格の活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること。

5 一方の締約国の企業が他方の締約国内において使用人その他の職員(7の規定が適用される独立の地位を有する代理人を除く。)を通じてコンサルタントの役務を提供する場合には、このような活動が単一の工事または複数の関連工事について十二箇月の間に合計六箇月を超える期間行われるときに限り、当該企業は、当該他方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとされる。

6 1及び2の規定にかかわらず、一方の締約国内において他方の締約国の企業に代わって行動する者(7の規定が適用される独立の地位を有する代理人を除く。)が次のいずれかの活動を行う場合には、当該企業は、その者が当該企業のために行うすべての活動について、当該一方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとされる。

(a)当該一方の締約国内において、当該企業の名において契約を締結する権限を有し、かつ、この権限を反復して行使すること。ただし、その活動が4に掲げる活動(事業を行う一定のが所で行われたとしても、4の規定により当該一定の場所が「恒久的施設」とされない活動)のみである場合は、この限りでない。

(b)当該一方の締約国内において、専ら又は主として当該企業のため又は当該企業及び当該企業を支配し若しくは当該企業に支配されている他の企業のため、反復して注文を取得すること。

7 一方の締約国の企業は、通常の方法でその業務を行う仲立人、問屋その他の独立の地位を有する代理人を通じて他方の締約国内で事業活動を行っているという理由のみでは、当該地方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとされない。

8 一方の締約国の居住者である法人が、他方の締約国の居住者である法人若しくは他方の締約国内において事業(「恒久的施設」を通じて行われるものであるかないかを問わない。)を行う法人を支配し、又はこれらに支配されているという事実のみによっては、いずれの一方の法人も、他方の

第六条

1 一方の締約国の居住者が他方の締約国に存在する不動産から取得する所得に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。

2 「不動産」の用語は、当該財産が存在する締約国の法令における不動産の意義を有するものとする。不動産には、いかなる場合にも、これに附属する財産、農業又は林業に用いられている家畜類および設備、不動産に関する一般法の規定の適用がある権利、不動産用益権ならびに鉱石、水その他の天然資源の採取又は採取の権利の対価として料金(金額が確定しているかいないかを問わない。)を受領する権利を含む。船舶及び航空機は、不動産とはみなさない。

3 1の規定は、不動産の直接使用、賃貸その他のすべての形式による使用から生ずる所得について適用する

4 1及び3の規定は、企業の不動産から生ずる所得及び独立の人的役務を提供するために使用される不動産から生ずる所得についても、適用する。

第七条

1 一方の締約国の企業の利得に対しては、その企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締約国内において事業を行わない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。一方の締約国の企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締約国内において事業を行う場合には、その企業の利得のうち当該恒久的施設に帰せられる部分に対してのみ、当該他方の締約国において租税を課することができる。

2 3の規定に従うことを条件として、一方の締約国の企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締約国内において事業を行う場合には、当該恒久的施設が、同一又は類似の条件で同一又は類似の活動を行い、かつ、当該恒久的施設を有する企業と全く独立の立場で取引を行う別個のかつ分離した企業であるとしたならば当該恒久的施設が取得したと見られる利得が、各締約国において当該恒久的施設に帰せられるものとする。

3 恒久的施設の利得を決定するに当たっては、経営費および一般管理費を含む費用で当該恒久的施設のために生じたものは、当該恒久的施設が存在する締約国内において生じたものであるか他の場所において生じたものであるかを問わず、損金に算入することを認められる。

4 2の規定は、恒久的施設に帰せられるべき利得を企業の利得の総額の当該企業の各構成部分への配分によって決定する慣行が一方の締約国にある場合には、租税を課されるべき利得をその慣行とされている配分の方法によって当該一方の締約国が決定することを妨げるものではない。ただし、用いられる配分の方法は、当該配分の方法によって得た結果がこの条に定める原則に適合するようなものでなければならない。

5 恒久的施設が企業のために物品又は商品の単なる購入を行ったことを理由としては、いかなる利得も、当該恒久的施設に帰せられることはない。

6 1から5までの規定の適用上、恒久的施設に帰せられる利得は、毎年同一の方法によって決定する。ただし、別の方法を用いることにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。

7 他の条で別個に取り扱われている種類の所得が企業の利得に含まれる場合には、当該他の条の規定は、この条の規定によって影響されることはない。

第八条

1 一方の締約国の企業が船舶又は航空機を国際運輸に運用することによって取得する利得に対しては、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。

2 一方の締約国の企業は、船舶又は航空機を国際運輸に運用することにつき、中華人民共和国の企業である場合には日本国における事業税、日本国の企業である場合には日本国における事業税に類似する租税で中華人民共和国において課されるものを免除される。

3 1及び2の規定は、共同計算、共同経営又は国際経営共同体に参加していることによって取得する利得についても、適用する。

第九条

(a)一方の締約国の企業が他方の締約国の企業の経営、支配若しくは資本に直接若しくは間接に参加している場合又は

(b)同一のものが一方の締約国の企業及び他方の締約国の企業の経営、支配若しくは資本に直接若しくは間接に参加している場合

であって、そのいずれの場合においても、商業上又は資金上の関係において、双方の企業の間に、独立の企業の間に設けられる条件と異なる条件が設けられまたは課されているときは、その条件がないとしたならば一方の企業の利得となったとみられる利得であってその条件のために当該一方の企業の利得とならなかったものに対しては、これを当該一方の企業の利得に算入して租税を課することができる。

第十条

1 一方の締約国の居住者である法人が他方の締約国の居住者に支払う配当に対しては、

当該他方の締約国において租税を課することができる。

2 1の配当に対しては、これを支払う法人が居住者とされ締約国においても、当該締約国の法令に従って租税を課することができる。その租税の額は、当該配当の受領者が当該配当の受益者である場合には、当該配当の額の十パーセントを超えないものとする。

この2の規定は、配当に充てられる利得についての当該法人に対する課税に影響を及ぼすものではない。

3 この条において、「配当」とは、株式その他利得の分配を受ける権利(信用に係る債権を除く。)から生ずる所得及びその他の持分から生ずる所得であって分配を行う法人が居住者とされる締約国の税法上株式から生ずる所得と同様に取り扱われるものをいう。

4 1及び2の規定は、一方の締約国の居住者である配当の受益者が、当該配当を支払う法人が居住者とされる他方の締約国において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行い又は当該他方の締約国において当該他方の締約国内にある固定的施設を通じて独立の人的役務を提供する場合において、当該配当の支払の基因となった株式その他の持分が当該恒久的施設又は当該固定的施設と実質的な関連を有するものであるときは、適用しない。この場合には、第七条又は第十四条の規定を適用する。

5 一方の締約国の居住者である法人が他方の締約国から利得又は所得を取得する場合には、当該他方の締約国は、当該法人の支払う配当及び当該法人の留保所得については、これらの配当及び留保所得の全部又は一部が当該他方の締約国内において生じた利得又は所得から成るときにおいても、当該配当(当該他方の締約国の居住者に支払われる配当又は配当の支払の基因となった株式その他の持分が当該他方の締約国内にある恒久的施設若しくは固定的施設と実質的な関連を有するものである場合の配当を除く。)に対していかなる租税を課することができず、又、当該留保所得に対して租税を課することができない。

第十一条

1 一方の締約国内において生じ、他方の締約国の居住者に支払われる利子に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。

2 1の利子に対しては、当該利子が生じた締約国においても、当該締約国の法令に従って租税を課することができる。その租税の額は、当該利子の受領者が当該利子の受益者である場合には、当該利子の額の十パーセントを超えないものとする。

3 2の規定にかかわらず、一方の締約国内において生ずる利子であって、他方の締約国の政府、当該他方の締約国の地方公共団体、当該他方の締約国の中央銀行又は当該他方の締約国の政府の所有する金融機関が取得するもの及び当該他方の締約国の政府、当該他方の締約国の地方公共団体、当該他方の締約国の中央銀行又は当該他方の締約国の政府の所有する金融機関による間接融資に係る債権に関し当該他方の締約国の居住者が取得するものについては、当該一方の締約国において租税を免除する。

4 この条において、「利子」とは、すべての種類の信用に係る債権(担保の有無及び債務者の利得の分配を受ける権利の有無を問わない。)から生じた所得、特に、公債、債権又は社債から生じた所得(公債、債権又は社債の割増金及び賞金を含む。)をいう。

5 1から3までの規定は、一方の締約国の居住者である利子の受益者が、当該利子の生じた他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行い又は当該他方の締約国において当該他方の締約国内にある固定的施設を通じて独立の人的役務を提供する場合において、当該利子の支払の基因となった債権が当該恒久的施設又は当該固定的施設と実質な関連を有するものであるときは、適用しない。この場合には、第七条又は第十四条の規定を適用する。

6 利子は、その支払者が一方の締約国の政府、当該一方の締約国の地方公共団体又は当該一方の締約国の居住者である場合には、当該一方の締約国内において生じたものとされる。ただし、利子の支払者(締約国の居住者であるかないかを問わない。)が一方の締約国内に恒久的施設又は固定的施設を有す

る場合において、当該利子の支払の基因となった債務が当該恒久的施設又は固定的施設について生じ、かつ、当該利子が当該恒久的施設又は固定的施設によって負担されるものであるときは、当該利子は、当該恒久的施設又は固定的施設の存在する当該一方の締約国内において生じたものとされる。

7 利子の支払の基因となった債権について考慮した場合において、利子の支払者と受益者との間又はその双方と第三者との間の特別の関係により、利子の額が、その関係がないとしたならば支払者及び受益者が合意したと見られる額を超えるときは、この条の規定は、その合意したとみられる額についてのみ適用する。この場合には、支払われた額のうち当該超過分に対し、この協定のほかの規定に妥当な考慮を払った上、各締約国の法令に従って租税を課することができる。

第十二条

1 一方の締約国内において生じ、他方の締約国の居住者に支払われる使用料に対しては当該他方の締約国において租税を課することができる。

2 1の使用料に対しては、当該使用料が生じた締約国においても、当該締約国の法令に従って租税を課することができる。その租税の額は、当該使用料の受領者が当該使用料の受益者である場合には当該使用料の額の十パーセントとを超えないものとする。

3 この条において、「使用料」とは、文学上、美術上若しくは学術上の著作物(映画フィルム及びラジオ放送用又はテレビジョン放送用のフィルム又はテープを含む。)の著作権、特許権、商標権、意匠、模型、図面、秘密方式若しくは秘密工程の使用若しくは使用の権利の対価として、産業上、商業上若しくは学術上の経験に関する情報の対価として受領するすべての種類の支払金をいう。

4 1及び2の規定は、一方の締約国の居住者である使用料の受益者が、当該使用料の生じた他方の締約国において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行い又は当該他方の締約国において当該他方の締約国内にある固定的施設を通じて独立の人的役務を提供する場合において、当該使用料の支払の起因となった権利または財産が当該恒久的施設又は当該固定的施設と実質的な関連を有するものであるときは、適用しない。この場合には、第七条又は第十四条の規定を適用する。

5 使用料は、その支払者が一方の締約国の政府、当該一方の締約国の地方公共団体又は当該一方の締約国の居住者である場合には、当該一方の締約国内において生じたものとされる。ただし、使用料の支払者(締約国の居住者であるかないかを問わない。)が一方の締約国内に恒久的施設又は固定的施設を有する場合において、当該使用料を支払う債務が当該恒久的施設又は固定的施設について生じ、かつ、当該使用料が当該恒久的施設又は固定的施設によって負担されるものであるときは、当該使用料は、当該恒久的施設又は固定的施設の存在する当該一方の締約国内において生じたものとされる。

6 使用料の支払の基因となった使用、権利又は情報について考慮した場合において、使用料の支払者と受益者との間又はその双方と第三者との間の特別の関係により、使用料額が、その関係がないとしたならば支払者及び受益者が合意したとみられる額を超えるときは、この条の規定は、その合意したと見られる額についてのみ適用する。この場合には、支払われた額のうち当該超過分に対し、この協定のほかの規定に妥当な考慮を払った上、各締約国の法令に従って租税を課することができる。

第十三条

1 一方の締約国の居住者が第六条に規定する不動産で他方の締約国内に存在するものの譲渡によって取得する収益に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。

2 一方の締約国の企業が他方の締約国内に有する恒久的施設の事業用資産の一部を成す財産(不動産を除く。)の譲渡又は一方の締約国の居住者が独立の人的役務を提供するため他方の締約国内において使用することのできる固定的施設に係る財産(不動産を除く。)の譲渡から生ずる収益(単独に若しくは企業全体として行われる当該恒久的施設の譲渡又は当該固定的施設の譲渡から生ずる収益を含む。)に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。

3 一方の締約国の居住者が国際運輸に運用する船舶又は航空機及びこれらの船舶又は航空機の運用に係る財産(不動産を除く。)の譲渡によって取得する収益に対しては、当が一方の締約国においてのみ租税を課することができる。

4 一方の締約国の居住者が1から3までに規定する財産以外の財産の譲渡によって取得する収益であって他方の締約国において生ずるものに対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。

第十四条

1 一方の締約国の居住者が自由職業その他の独立の性格を有する活動について取得する所得に対しては、その者が自己の活動を行うため通常使用することのできる固定的施設を他方の締約国内に有せず、かつ、その者が当該年を通じ合計百八十三日を超える期間当該他方の締約国内に滞在しない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。その者がそのような固定的施設を有する場合又は前期の期間当該他方の締約国内に滞在する場合には、当該所得に対しては、当該固定的施設に帰せられる部分又は前期の期間を通じ当該他方の締約国内において取得した部分についてのみ、当該他方の締約国において租税を課することができる。

2 「自由職業」には、特に、学術上、文学上、美術上及び教育上の独立の活動ならびに医師、弁護士、技術士、建築士、歯科医師及び公認会計士の独立の活動を含む。

第十五条

1 次条及び第十八条から第二十一条までの規定が適用される場合を除くほか、一方の締約国の居住者がその勤務について取得する給料、賃金その他これらに類する報酬に対しては、勤務が他方の締約国内において行われない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。勤務が他方の締約国内において行われる場合には、当該勤務から生ずる報酬に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。

2 1の規定にかかわらず、一方の締約国の居住者が他方の締約国内において行う勤務について取得する報酬に対しては、次の(a)から(c)までに掲げることを条件として、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。

(a)報酬の受領者が当該年を通じて合計百八十三日を越えない期間当該他方の締約国内に滞在すること。

(b)報酬が当該他方の締約国の居住者でない雇用者又はこれに代わるものから支払われるものであること。

(c)報酬が雇用者の当該他方の締約国内に有する恒久的施設又は固定的施設によって負担されものでないこと。

3 1及び2の規定にかかわらず、一方の締約国の企業が国際運輸に運用する船舶または

航空機内において行われる勤務にかかわる報酬に対しては、当該一方の締約国において租税を課することができる。

第十六条

一方の締約国の居住者が他方の締約国の居住者である法人の役員の資格で取得する役員報酬その他これに類する支払金に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。

第十七条

1 第十四条及び第十五条の規定にかかわらず、一方の締約国の居住者である個人が演劇、映画、ラジオもしくはテレビジョン俳優、音楽家その他の芸能人又は運動家として他方の締約国内で行う個人的活動によって取得する所得に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。

もっとも、そのような活動が両締約国の政府間で合意された文化交流のための特別の計画に基づき当該一方の締約国の居住者である個人により行われる場合には、当該所得については、当該他方の締約国において租税を免除する。

2 一方の締約国兄で行う芸能人又は運動家としての個人的活動に関する所得が当該芸能人又は運動家以外の他方の締約国の居住者であるものに帰属する場合には、当該所得に対しては、第七条、第十四条及び第十五条の規定にかかわらず、当該一方の締約国において租税を課することができる。

もっとも、そのような活動が両締約国の政府間で合意された文化交流のための特別の計画に基づいて行われる場合には、当該所得については、そのような活動が行われた締約国において租税を免除する。

第十八条

次条2の規定が適用される場合を除くほか、過去の勤務につき一方の締約国の居住者に

支払われる退職年金その他これに類する報酬に対しては、当該一方の締約国においての

み租税を課することができる。

第十九条

1(a)政府の職務の遂行として一方の締約国の政府又は当該一方の締約国の地方公共団体に対して供される役務につき、個人に対し当該一方の締約国の政府または当該一方の締約国の地方公共団体によって支払われる報酬(退職年金を除く。)に対しては、当該一方の締約国においてのみを租税を課することができる。

(b)もっとも、当該役務が他方の締約国内において提供され、かつ、(a)の個人が次の

(ⅰ)又は(ⅱ)に該当する当該他方の締約国の居住者である場合には、その報酬

に対しては、当が他方の締約国においてのみ租税を課することができる。

(ⅰ)当該他方の締約国の国民

(ⅱ)専ら当該役務を提供するため当該他方の締約国の居住者となったものでないもの

2(a)一方の締約国の政府又は当該一方の締約国の地方公共団体に対し提供される役務

につき、個人に対し、当該一方の締約国の政府若しくは当該一方の締約国の地方

公共団体によって支払われ、又は当該一方の締約国の政府もしくは当該一方の締約国の地方公共団体が拠出した基金から支払われる退職年金に対しては、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。

(b)もっとも、(a)の個人が他方の締約国の居住者であり、かつ、当該他方の締約国

の国民である場合には、その退職年金に対しては、当該他方の締約国においてのみ租税を課することができる。

3 一方の締約国の政府又は当該一方の締約国の地方公共団体が行う事業に関連して提供される役務につき支払われる報酬及び退職年金については、第十五条から前条までの規定を適用する。

第二十条

一方の締約国内にある大学、学校その他の公認された教育機関において教育又は研究を

行うことを主たる目的として当該一方の締約国内に一時的に滞在する個人であって、現に

他方の締約国の居住者であるもの又は当該一方の締約国を訪れる直前に他方の締約国の居

住者であったものは、当該一方の締約国に最初に到着した日から三年を超えない期間、そ

の教育または研究にかかわる報酬につき当該一方の締約国において租税を免除される。

第二十一条

専ら教育若しくは訓練を受けるため又は特別の技術的経験を習得するため一方の締約国

内に滞在する学生、事業修習者又は研修員であって、現に他方の締約国の居住者であるも

の又はその滞在の直前に他方の締約国の居住者であったものがその生計、教育または訓練

のために受け取る給付または所得については、当該一方の締約国の租税を免除する。

第二十二条

1 一方の締約国の居住者の所得のうち、他方の締約国内において生ずるもので充て前各

条に規定がないものに対しては、当該他方の締約国において租税を課することができ

る。

2 1に規定する所得を除き、一方の締約国の居住者の所得で前各条に規定がないものに対しては、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。

3 1及び2の規定は、一方の締約国の居住者である所得(第六条2に規定する不動産から生ずる所得を除く。)の受領者が、他方の締約国において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行い又は当該他方の締約国において当該他方の締約国内にある固定的施設を通じて独立の人的役務を提供する場合において、当該所得の支払の基因となった権利または財産が当該恒久的施設または当該固定的施設と実質的な関連を有するものであるときは、当該所得については、適用しない。この場合には、第七条又は第十四条の規定を適用する。

第二十三条

1 中華人民共和国においては、二重課税は、次のとおり除去される。

(a)中華人民共和国の居住者が日本国において所得を取得する場合には、この協定の規定に従って当該所得について納付される日本国の租税の額は、当該居住者に対してかされる中国の租税の額から控除する。ただし、控除の額は、中国の租税の額のうち中華人民共和国の租税に関する法令に従って当該所得に対応するものとして算定される額を超えないものとする。

(b)日本国において取得される所得が、日本国の居住者である法人によりその株式の少なくとも十パーセントが所有する中華人民共和国の居住者である法人に対して支払われる配当である場合には、中国の租税からの控除を行うにあたり、当該配当を支払う法人によりその所得について納付される日本国の租税を考慮に入れるものとする。

2 日本国以外の国において納付される租税を日本国の租税から控除することに関する日本国の法令に従い、

(a)日本国の居住者がこの協定の規定に従って中華人民共和国において租税を課される所得を中華人民共和国において取得する場合には、当該所得について納付される中国の租税の額は、当該居住者に対して課される日本国の租税の額から控除する。ただし、控除の額は、日本国の租税の額のうち当該所得に対応する部分を越えないものとする。

(b)中華人民共和国において取得される所得が、中華人民共和国の居住者である法人によりその議決権のある株式又はその発行済株式の少なくとも二十五パーセントを所有する日本国の居住者である法人に対して支払われる配当である場合には、日本国の租税からの控除を行うに当たり、当該配当を支払う法人によりその所得について納付される中国の租税を考慮に入れるものとする。

3 2(a)に規定する工場の適用上、中国の租税は、次の率で支払われたものとみなす。

(a)第十条2の規定が適用される配当については、中華人民共和国の合弁企業が支払う配当である場合には十パーセント、その他の配当である場合には二十パーセント

(b)第十一条2の規定が適用される利子については十パーセント

(c)第十二条2の規定が適用される使用料については二十パーセント

4 2に規定する控除の適用上、「納付される中国の租税」には、次のいずれかのものに従って免除、軽減又は還付が行われないとしたならば納付されたと見られる中国の租税の額を含むものとみなす。

(a)中華人民共和国合弁企業所得税法第五条及び第六条の規定ならびに中華人民共和国合弁企業所得税法施行細則第三条の規定

(b)中華人民共和国外国企業所得税法第四条及び第五条の規定

(c)この協定の署名の日の後に中華人民共和国の法令に導入される中華人民共和国の経済開発を促進するための他の同様な特別の奨励措置で両締約国の政府が合意するもの

第二十四条

1 一方の締約国の国民は、他方の締約国において、同様に状況にある当該他方の締約国の国民に課されており若しくは課されることがある租税若しくはこれに関連する要件以外の租税若しくはこれに関連する要件又はより重い租税若しくはこれに関連する要件を課されることはない。この1の規定は、第一条の規定にかかわらず、締約国の居住者でない者にも、適用する。

2 一方の締約国の企業が他方の締約国内に有する恒久的施設に対する租税は、当該他方の締約国において、同様の活動を行う当該他方の締約国の企業に対して課される租税よりも不利に課されることはない。

3 第九条、第十一条7又は、第十二条6の規定が適用される場合を除くほか、一方の締約国の企業が他方の締約国の居住者に支払った利子、使用料その他の支払金については、当該企業の課税対象利得の決定に当たって、当該一方の締約国の居住者に支払われたとした場合における条件と同様の条件で控除するものとする。

4 一方の締約国の企業であってその資本の全部又は一部が他方の締約国の一又は二以上の居住者により直接又は間接に所有され又は支配されているものは、当該一方の締約国において、当該一方の締約国の類似のほかの企業に課されておりもしくは課されることがある租税若しくはこれに関連する要件以外の租税若しくはこれに関連する要件又はより重い租税若しくはこれに関連する要件を課されることはない。

5 この条のいかなる規定も、一方の締約国が、他方の締約国の居住者に対し、法令により当該一方の締約国の居住者にのみ適用される租税上の人的控除、救済および軽減を認めることを義務付けるものと解してはならない。

第二十五条

1 いずれか一方の又は双方の締約国の措置によりこの協定の規定に適合しない課税を受けたと又は受けることになると認める者は、当該事案について、当該締約国の法令に定める救済手段とは別に、自己が居住者である締約国の権限のある当局に対してまたは当該事案前条1の規定の適用に関するものである場合には自己が国民である締約国の権限のある当局に対して、申立てをすることができる。当該申立ては、この協定の規定に適合しない課税に係る当該措置の最初の通知の日から三年以内に、しなければならない。

2 権限のある当局は、1の申立てを正当と認めるが、満足すべき解決を与えることができない場合には、この協定の規定に適合しない課税を回避するため、他方の締約国の権限のある当局との合意によって当該事案を解決するよう努める。成立したすべての合意は、両締約国の法令上のいかなる期間制限にもかかわらず、実施されなければならない。

3 両締約国の権限のある当局は、この協定の解釈又は適用に関して生ずる困難又は疑義を合意によって解決するよう努める。両締約国の権限のある当局は、又、この協定に定めのない場合における二重課税を除去するため、相互に協議することができる。

4 両締約国の権限のある当局は、2及び3の合意に達するため、直接相互に通信することができる。両締約国の権限のある当局は、合意に達するために適当と認める場合には、口頭による意見の交換を行うため会合することができる。

第二十六条

1 両締約国の権限のある当局は、この協定若しくはこの協定が適用される租税に関する両締約国の法令(当該法令に基づく課税がこの協定の規程に反しない場合に限る。)を実施するため、又はこれらの租税に関する脱税を防止するために必要な情報を交換する。情報の交換は、第一条の規定による制限を受けない。交換された情報は、秘密として取り扱うものとし、この協定が適用される租税の賦課若しくは徴収又はこれらの租税に関する不服申立てについての決定に関与する者又は当局(裁判所を含む。)に対してのみ開示することができる。

2 1の規定は、いかなる場合にも、一方の締約国に対し、次のことを行う義務を課するものと解してはならない。

(a)当該一方の締約国又は他方の締約国の法令及び行政上の慣行に抵触する行政上の

措置をとること。

(b)当該一方の締約国又は他方の締約国の法令の下において又は行政の通常の運営において入手することができない情報を提供すること。

(c)営業上、事業場、産業上、商業上若しくは職業上の秘密若しくは取引の過程を明らかにするような情報または公開することが公の秩序に反することになる情報を提供すること。

第二十七条

この協定のいかなる規定も、一方の締約国において当該一方の締約国の法令または両締

約国の政府間の他の協定により他方の締約国の国民又は居住者に対して現在又は将来認め

られる租税の免除、軽減その他の減免をいかなる態様においても制限するものと解しては

ならない。

第二十八条

この協定のいかなる規定も、国際法の一般原則又は特別の協定に基づく外交官又は領事官の租税上の特権に影響を及ぼすものではない。

第二十九条

1 この協定は、その効力発生のために国内法上必要とされる手続がそれぞれの国において完了したことを通知する外交上の公文が交換された日から三十日目の日に効力を生ずる。

2(a)中華人民共和国においては、

(ⅰ)この協定が効力を生ずる年の翌年の一月一日以後に開始する各課税年度において生ずる所得

(ⅱ)第八条2に規定する日本国における事業税に類似する租税であってこの協定が効力を生ずる年の翌年の一月一日以後に開始する各課税年度において課されるもの

(b)日本国においては、

この協定が効力を生ずる年の翌年の一月一日以後に開始する各課税年度において

生ずる所得

第三十条

この協定は、無期限に効力を有する。ただし、いずれの一方の締約国も、この協定の効力発生の日から五年の期間が満了した後に開始する各年の六月三十日以前に、外交上の経路を通じて他方の締約国に対し書面により終了の通告を行うことができる。

この場合には、この協定は、次のものについて効力を失う。

(a)中華人民共和国においては、

(ⅰ)終了の通告が行われた翌年の一月一日以後に開始する各課税年度において生ずる所得

(ⅱ)第八条2に規定する日本国における事業税に類似する租税であって終了の通告が行われた年の翌年の一月一日以後に開始する各課税年度において課されるもの

(b)日本国においては、

終了の通告が行われた年の翌年の一月一日以後に開始する各課税年度において生ずる所得

以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。

千九百八十三年九月六日に北京で、ひとしく正文である日本語、中国語及び英語により本書二通を作成した。解釈に相違がある場合には、英語の本文による。