中国の税務調査とは、税務当局が企業の申告内容や帳簿の適正性を確認する手続きです。日本と異なり、事前の連絡なく「税务检查通知书」が届くことがあり、初動の対応がその後の結果を大きく左右します。

「何もしていないから大丈夫」とは限りません。税務当局は申告データの分析結果から対象企業を選ぶため、通常の処理をしていても対象になることがあります。

一、調査の種類

  • 日常検査:リスク分析に基づく定期的な確認。資料の提出や説明を求められます。
  • 専項検査:特定の税目・業界を対象とした一斉調査。増値税や移転価格が対象になることがあります。
  • 専案検査:通報や具体的な疑義に基づく個別調査。最も重い区分です。

二、調査の流れ

1. 選案(リスク分析)

税務ビッグデータによる分析で対象企業が選ばれます。申告データの異常値、業界平均との乖離、海外関連取引の比率などが判断材料になります。

2. 検査通知

「税务检查通知书」が交付され、調査の範囲・対象期間・担当者が示されます。通知の種類と範囲を最初に確認することが重要です。

3. 資料の提出と照合

帳簿、証憑、契約書、銀行記録などの提出を求められます。質問(询问)は口頭で行われ、その内容が記録されます。

4. 事実認定と処分

「税务处理决定书」(本税・延滞金)と「税务行政处罚决定书」(罰金)が交付されます。罰金の処分前には聴聞(听证)を求める権利があります。

5. 不服申立て

処分に不服がある場合は、税務行政復議(再審査)や行政訴訟を提起できます。ただし本税について復議を求める場合は、先に納付または担保の提供が必要です。

三、負担する3つのお金

項目内容水準
本税未納・過少申告だった税額―
延滞金納期限の翌日から納付までの遅延分1日あたり0.05%(年率約18%)
罰金脱税と認定された場合未納税額の0.5〜5倍

四、時効は何年か

税收徴収管理法第52条により、追徴できる期間は次のとおりです。

  • 原則:3年
  • 特殊な事情がある場合:5年
  • 脱税・抗税・詐欺:期限なし

「3年経てば安全」ではありません。意図的な申告漏れと認定されれば、会社設立の年度までさかのぼります。また、移転価格の特別納税調整は別途10年が原則です。

五、通知を受けた直後にやるべきこと

  • 通知書の範囲を確認する:対象税目・対象年度・調査区分を読み取ります。範囲外の資料まで漫然と提出しないことが重要です。
  • 社内の事実確認を先に行う:担当者が交代している場合、当時の処理経緯が分からないことがあります。回答の前に事実を揃えます。
  • 回答の一貫性を保つ:同じ質問に別の担当者が別の答えをすると、それ自体が疑義を招きます。窓口を一本化します。
  • 専門家を早期に入れる:通知の段階で関与すれば、主張の組み立てが可能です。処分が出た後で覆すのは難しくなります。

六、DENCHIの支援内容

  • 税務調査・税関調査の対応支援(資料作成、抗弁の組み立て)
  • 移転価格調査対応、移転価格文書の作成
  • 調査前のヘルスチェック(自主的な是正)
  • 税関調査(加工貿易・輸入申告価格・ロイヤリティ)への対応

複数社の正式調査に対応してきた実績があります。通知が届いた段階でご連絡ください。

DENCHI(「デンチ」)は財務・会計・税務・税関を専門とするコンサルティング会社です。
◆ コアメンバーは四大会計士事務所、大手日系企業或いは税務機関出身のOB/OGの集まりです。
◆ 2013年の設立以来、深セン・広州・東京の3拠点に100名以上の専門家が在籍し、中国公認会計士8名・中国公認税理士5名が在籍しています。
◆ 数多くの日系企業に税務調査対応、移転価格、会社再編などのサービスを提供してきました。
◆ 実行性の高いアドバイスを提供することを特徴としています。

財務・会計・税務・税関に関するプロフェッショナルなサポートをお求めなら、ぜひ私どもにお気軽にご連絡ください。